春眠暁を覚えず、実は”春バテ”?新年度に知っておきたい、すっきり目覚めるコツ
- sleep360br
- 4月21日
- 読了時間: 5分

こんにちは。
Sleep 360スタッフです。
「春眠暁を覚えず」という漢詩の一句をご存じでしょうか?
多くの方が学生時代に国語で習う一節で、春の心地よさを表現したものです。
朝起きられないのは、心地よいから……本当にそうでしょうか?寝ても十分に眠れていないと感じる春、実は「春バテ」が原因かもしれません。
「春バテ」とは
「春バテ」とは、季節の変わり目である春に起こりやすい、体や心の不調を指します。 主な原因としては、朝晩と昼間の寒暖差、気圧や天候の変化(低気圧や花粉など)、そして新生活や人間関係によるストレスなどが挙げられます。これらの影響によって自律神経のバランスが乱れ、体調に変化が生じると考えられます。
主な症状には、倦怠感、やる気の低下、頭痛、不眠、めまい、気分の落ち込みなどがあり、身体だけでなく精神面にも負担がかかります。
「夏バテ」という言葉によく似ていますが、春バテは「環境の変化に適応することの難しさ」が大きな特徴です。
ではここで、春バテと夏バテの違いを見てみましょう。
春バテと夏バテの違い

▪️主な症状の違い
「春バテ」
・ なんとなくだるい
・ 頭が重く、やる気が出ない
・ 朝スッキリ起きられない
・ 不安感、気分の落ち込み
・ 肩こりや目の疲れ
「夏バテ」
・ 食欲不振
・ 疲労感、だるさが抜けない
・ 胃腸の不調(下痢・便秘)
・ 浅い眠りや中途覚醒
・ めまい、立ちくらみ
■ 原因の違い
「春バテ」
・ 朝晩と昼間の気温差
・ 天候や気圧の変化(低気圧、花粉など)
・ 新生活や人間関係のストレス
・ 自律神経の乱れ
→ 急激な環境変化により、自律神経の切り替えがうまくいかなくなると考えられます。
「夏バテ」
・ 高温多湿による体力消耗
・ 冷房との温度差
・ 食欲低下、水分不足
・ 過度な体温調整による自律神経の疲弊
→ 長時間の暑さで交感神経が疲れ、副交感神経がうまく働かなくなると考えられます。
このように、春バテと夏バテは「似ているようで原因が異なる」ため、対処方法も異なります。
春バテ対策で、スッキリした朝を迎えるコツ

春バテの大きな要因である「自律神経の乱れ」を整えるために、私が実践しているコツを紹介します。
① 起きたらすぐに朝日を浴びる
睡眠には2つ重要なホルモンが関わっています。一つ目は「幸せホルモン」とも呼ばれているセロトニン、睡眠を調整するために不可欠な神経伝達物質です。二つ目は「睡眠ホルモン」とも呼ばれているメラトニン、主に睡眠と覚醒のリズムを調整するホルモンです。
朝、太陽の光を浴びると自律神経が刺激され、交感神経が活性化します。するとセロトニンの分泌が促され、夜になるとそのセロトニンがメラトニンへと変化して、質の良い睡眠へとつながっていくと考えられます。
② 就寝の約90分前に入浴する
38〜40℃のぬるめのお湯に15〜20分浸かることで、副交感神経が優位になります。
体温が下がるタイミングで自然と眠気が訪れ、スムーズに眠りに入れると考えられています。
③ 就寝・起床時間を一定に保つ
毎日同じ時間に寝起きすることで、体内時計(サーカディアンリズム)が整います。
自律神経の切り替えもスムーズになり、朝の目覚めがラクになると考えられています。
④ 夜に深呼吸やストレッチをする
深い呼吸、軽いストレッチ、瞑想などの習慣は副交感神経を優位に導きます。
私がよく使う呼吸法は「4秒吸って、7秒止めて、8秒かけて吐く」というリズムです。リラックス効果がすぐに感じられることもあるのでおすすめです。

⑤ 朝のルーティンを決める
朝のルーティンを取り入れることで、自律神経を「活動モード」へ切り替えるサポートになると考えられています。
たとえば、起きたらまずコップ1杯の水を飲み、軽いストレッチや深呼吸をするなどの習慣がおすすめです。
⑥ カフェインとスマホを上手に管理する
カフェインの作用は4〜6時間持続するとされているため、15時以降の摂取は控えるのが望ましいでしょう。
また、ブルーライトは交感神経を刺激するといわれており、就寝の1時間前にはスマホやパソコンの使用を避けるのが理想的です。
プラスワン:食事にもひと工夫を
朝は、卵・納豆・ヨーグルトなどのたんぱく質を多めに摂ることで、セロトニンの材料となる栄養素を補うことができます。
夜は、炭水化物を少し多めに摂ることで、副交感神経が優位になりやすくなると考えられています。
まとめ

「春バテ」は、「精神的ストレス」や「自律神経の不安定さ」によって引き起こされると考えられています。
この不調の正体をしっかり理解し、自分に合った対処法を取り入れることで、春の毎日がもっと快適になります。
自律神経を整え、スッキリと目覚められる朝を手に入れて、春の新しいスタートを元気に切りましょう。
Sleep360は「睡眠の質を向上することで満たされた状態で、よりイキイキと働く人々を増やしていく」ことをビジョンとして掲げていて、ドライヘッドスパとCBDを通して、より良い睡眠をとれるサポートをしております。
ヘッドスパにはストレス軽減の効果があると考えられています。春バテ対策にぜひご検討ください。
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参考文献
・伊藤 雅将(2016). 寒暖差で自律神経が不調に 春バテにご用心. 週刊文春 / 文芸春秋 [編] 58 (13), 139-141, 2016-03-31. https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I027196955
・君塚 靖(2025). 春の疲労・だるさの正体「自律神経の乱れ」対策5つ. 東洋経済オンライン. 2025-03-02 https://toyokeizai.net/articles/-/859503
・春の不調と自律神経の関係. Medical Rose. 2022-04-11 https://medicalrose.co.jp/archives/1728
・9割の人が感じる「春バテ」寒暖差や新生活ストレスで自律神経に乱れ. JCASTニュース. 2017-03-08 https://www.j-cast.com/2017/03/08292520.html
・春は自律神経の乱れに注意! 健康づくりかわら版. 2018-04-02 https://www.jpm1960.org/kawara/05/post-22-1.html
・中西朋子(2023). 睡眠の現状と展望 共立女子短期大学生活科学科紀要 第66号 https://kyoritsu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=3662&file_id=22&file_no=1
・小西 正良、吉田 愛実(2011). セロトニン分泌に影響を及ぼす生活習慣と環境 大阪河﨑リハビリテーション大学紀要,第5巻. 2011-03 https://kawasakigakuen.repo.nii.ac.jp/records/43
・Young, S. N. (2007). How to increase serotonin in the human brain without drugs. Journal of Psychiatry & Neuroscience, 32(6), 394–399. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2077351/
・ Arendt, J. (1995). Melatonin and the mammalian pineal gland. Chapman & Hall, London.
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