
こんにちは。
Sleep360スタッフです。
以下のグラフや表によると、日本人の平均睡眠時間は世界各国と比較して短く、睡眠不足はホルモンバランスの乱れ、集中力の低下など、様々な悪影響があります。
2016年の米シンクタンク「ランド研究所」の研究報告によると、日本の睡眠問題による経済損失が年間1380億ドルに及ぶそうです。

また、チェルノブイリ原子力発電所事故や石油輸送船エクソン・バルディーズ号原油流出事故、スペースシャトル「チャレンジャー号」爆発などの事故も睡眠不足が関係していると言われております。
大きな事故以外でも、居眠り運転が原因の事故が多く報道されています。
今回は、睡眠不足の原因に繋がりやすい「夜勤・シフト勤務」をテーマに、夜勤やシフト勤務が睡眠にどのような影響を与えるか、疾患の関係性について紹介します。
睡眠への悪影響

人の覚醒は日中に促進され、夜間に抑制されるようになっています。
例えば、睡眠を促進させるホルモンであるメラトニンは主に夜間に分泌されます。
メラトニンの分泌が十分に行われることで、よい睡眠に繋がります。
メラトニンの分泌は光によって阻害されてしまいます。
また、覚醒に関連するホルモンであるコルチゾールは、朝になるにつれて分泌が増加し、覚醒が促されます。
このように、人の覚醒は日中に促進され、夜間に抑制されるようになっているため、日中にまとまった睡眠を行うことは難しいのです。
そのため、夜勤やシフト勤務をして朝に睡眠をとる場合は、夜間に睡眠をとる場合と比較して、質が下がることが多いと考えられています。
疾患との関係性
また、人は日中に活動し夜に睡眠し休息をとる昼行性のため、夜勤やシフト勤務で夜に睡眠をせずに仕事をすることで、身体に悪い影響を与えていきます。
具体的には、シフト勤務により肥満、虚血性心疾患、がんなどのリスクが高くなりやすいと言われています。
肥満
BMIが25以上で肥満とされていますが、シフト勤務者のBMIが26以上になるリスクが日勤勤務者より高いことがわかっています。
虚血性心疾患
心筋梗塞などの虚血性心疾患の発症リスクは、シフト勤務の方がリスクが高くなることがわかっています。
虚血性心疾患になるリスクについては、シフト勤務を16〜20年行った人はシフト勤務を行ったことがない人の約3倍と報告されています。
がん
シフト勤務者が乳がんや前立腺がんなど性ホルモンが関係するがんのリスクを高くすることがわかっています。
このように、シフト勤務が身体に悪影響を与えることがわかっております。
それでは、夜勤やシフト勤務による影響を最小限にするためにはどうすればいいのでしょうか?
影響を最小限にするには?

可能な方は、夜勤はできるだけ少なくすることをおすすめします。
夜勤をできるだけ少なくして、夜に睡眠時間をしっかりとることは、身体の休息だけではなく、免疫力を上げ、肥満を防ぐことにも繋がります。
また、良質な睡眠をとるためには、入浴や睡眠環境を整えることも効果的です。
下記の記事がおすすめなので、気になる方はぜひご覧ください。
○深い睡眠は入浴時間と温度で決まる
○朝スッキリ起きるための最高の睡眠環境
シフト勤務でどうしても夜勤がある人は、以下のことを行うことで負担を減らすことができます。
・正循環勤務にすること
正循環勤務とは、シフトの割り当てを勤務開始時間がだんだん遅くなっていくようにするようにすることです。
例えば、3交代制の職場の場合では、「日勤(8時〜17時)」→「準夜勤(16時〜24時)」→「深夜勤(0時〜8時)」のようなシフトの組み方が推奨されています。
・次の勤務までの時間をできるだけ空けること
次の勤務までの時間を空け、休息する時間を作ることが大切です。
また、連続勤務日数を5日〜7日までとすることも推奨されております。
休息の時間を作ることは健康だけではなく、仕事での事故を防ぐためにも大切です。
最後に
夜勤やシフト勤務による睡眠不足は、健康に悪影響を与えたり、仕事での事故に繋がってしまうことがあるので、身体への負担を減らしていくことが大切です。
Sleep 360 では、睡眠の質を向上させることを目的としたドライヘッドスパサービスを提供しています。
ご興味がある方は、こちらからご予約いただければ幸いです。
参考文献
『ビジネスに活かす「睡眠資格」スリーププランナー』 一般社団法人ブレインヘルスラボ、2023年
久保達彦(2014). 我が国の深夜交代制勤務労働者数の推計. J UOEH(産業医科大学雑誌)36(4):273-276
Comments